絵本専門士の資格内容
絵本専門士とは、国立青少年教育振興機構が主催している絵本についてのスペシャリストを養成するための資格です。
子供の発育においては絵本は非常に重要な役割を持ちますが、世界中で非常に数多く出版されていることからどういった絵本が子供にとって喜ばれるのか、良い影響を与えるのかということが分かりづらくなってきています。
また「若者の活字離れ」のように子供が文字を読むという習慣が乏しくなってきており、ますます幼い時期に読む文章の重要性が高まってきているのです。
そこで「絵本専門士」という資格では読書に関する専門知識を備えるとともに、それを指導していくための能力を持った人材を認定しています。
絵本専門士となることにより、学校や家庭、地域活動で子供に読書を促し、そこから文章をきちんと読む力を身に着けさせる活動に携わっていけます。
平成26年に発足をしたばかりの新しい資格なのですが、資格開始から数年が経過したことで少しずつ活動の輪も広がってきており、絵本専門士による読み聞かせや絵本について学ぶことができるワークショップが全国で展開しています。
ようやく認知度が高まってきたことから受講者数も増えてきており、絵本を通して子育てのネットワークを広げようという動きも活発になってきました。
とはいえまだ絵本専門士として認定されている人の数は約90名程度と少ないので、今後は保育や福祉関連の仕事に携わる人達からの受講が期待されています。
絵本専門士の資格取得までの流れ
絵本専門士となるためには、まず協会の開催している全50時間の講習を受講する必要があります。
すべての講習を修了したところで課題が与えられるので、そこに合格をすることにより「絵本専門士養成講座」が全て修了されたことになるのです。
認定されることにより絵本専門士名簿に登録をされるので、以後は「絵本専門士」という名称を用いて業務を行っていくことができるようになります。
注意しておきたいのが、絵本専門士になるためにはあらかじめ学歴や職歴の条件がつくということです。
具体的には「司書・司書補・保育士・幼稚園教諭・小学校教諭免許を持つ者」や、「絵本などの出版経験がある者」「3年以上図書館職員・保育士・幼稚園教諭・小学校教諭として勤務した経験がある者」「絵本や児童文学の研究者」などです。
自分が受験要件に当てはまっているかは、まずは協会に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
受講は1クラスあたり60名として行われ、場所は国立オリンピック記念青少年総合センターです。
住んでいる地域が遠方で受講が難しいという場合は、施設に宿泊をすることもできるようになっています。